家賃補助とは|会社の住宅手当、自治体の家賃助成、国の住居確保給付金の違い
家賃補助には、勤め先の住宅手当、市区町村の家賃助成、国の住居確保給付金があります。出すところ、対象、申し込み先の違いを表で整理します。
家賃補助と呼ばれるものには、勤め先が出す住宅手当や借り上げ社宅、市区町村の家賃助成、国の制度である住居確保給付金があります。市区町村の家賃助成は自治体が独自に設けるもので、制度があるかどうか、金額や条件も自治体によって違います。勤め先の制度は就業規則や社宅の規程で、市区町村の制度は住む予定の自治体のサイトで確かめます。
どれに当てはまるかを先に整理しておくと、部屋探しの予算を立てやすくなります。
家賃補助には、どんな種類がある?
家賃補助は、だれが出すかで大きく4つに分かれます。2026年10月時点の各制度の案内では、次のとおりです。
| 種類 | 出すところ | 主な対象 | 確かめる先 |
|---|---|---|---|
| 住宅手当・借り上げ社宅 | 勤め先 | 勤め先の規程で決めた従業員 | 就業規則、社宅の規程 |
| 市区町村の家賃助成 | 市区町村 | 子育て世帯など、自治体ごとに決める | 住む予定の市区町村 |
| 結婚に伴う新生活の支援 | 市区町村(国の交付金を使う) | 条件を満たす新婚世帯 | 住む予定の市区町村 |
| 住居確保給付金 | 自治体(国の制度) | 離職などで収入が減り、家賃の支払いに困っている人 | 地域の自立相談支援機関 |
勤め先の制度は働いている人なら使える可能性があり、自治体や国の制度は、世帯の形や収入などの条件を満たす人が対象です。
会社の住宅手当と借り上げ社宅は、何が違う?
住宅手当は給与と一緒に現金で受け取り、給与として所得税がかかります。借り上げ社宅は、会社が借りた部屋を従業員に貸す形で、一定以上の家賃を本人が払っていれば、会社が負担した分に所得税はかかりません(国税庁タックスアンサー、令和8年4月1日現在)。
| 住宅手当 | 借り上げ社宅 | |
|---|---|---|
| 受け取り方 | 給与に上乗せされる現金 | 会社が借りた部屋に住む |
| 部屋の契約者 | 本人 | 会社 |
| 所得税 | 給与として課税される | 本人が賃貸料相当額の50%以上を払っていれば、会社の負担分は課税されない |
| 部屋の選び方 | 本人が自由に選べる | 会社の規程の範囲で選ぶ |
国税庁は、本人が自分で契約した部屋の家賃を会社が負担する場合も、社宅の貸与とは認めず給与として課税するとしています。
社会保険料の計算(標準報酬月額)では、労働の対償として経常的に受け取るものは報酬に含まれ、社宅のように住宅を現物で支給される分も報酬に入ります(日本年金機構)。社宅の家賃の計算や退職のときの扱いは借り上げ社宅とはにまとめています。
自治体の家賃補助は、どこにでもある?
どこにでもあるわけではありません。市区町村が独自に設ける制度なので、ある自治体とない自治体があり、対象や金額もそれぞれ違います。東京23区の2つの例を、2026年10月時点の公式ページから並べます。
| 自治体と制度 | 主な対象 | 助成額と期間 | 募集の状況 |
|---|---|---|---|
| 新宿区 民間賃貸住宅家賃助成 | 義務教育修了前の子を扶養し同居する世帯。世帯の所得520万円以下、家賃22万円以下など | 月3万円、最長5年 | 年1回の募集。令和8年度の新規募集は10月15日に終了(2026年10月16日更新) |
| 目黒区 ファミリー世帯家賃助成 | 18歳未満の子を扶養し同居する世帯。所得の上限あり、家賃5万円以上18万円以下 | 月2万円、最長3年 | 令和8年度は6月10日〜7月10日に募集し、終了(2026年7月11日更新) |
どちらも募集の期間が決まっていて、新宿区では令和7年度に50世帯の募集に111世帯の有効応募があり、抽せんになりました。新宿区は、この助成金が課税所得になることも案内しています。
条件は年度ごとに変わることがあるので、使えそうな制度が見つかったら、募集案内で最新の条件を確かめます。引っ越し先を選ぶ段階で、候補の市区町村のサイトを「家賃助成」「住宅」などの言葉で調べておくと、見落としを防げます。
新婚世帯が使える補助はある?
こども家庭庁の交付金を使って、結婚に伴う新生活の住まいの費用や引越費用を補助している市区町村があります。令和8年度の実施要領では「結婚・妊娠・共育ての相談機会提供・支援プログラム」の一部とされ、対象と上限は次のとおりです。
- 夫婦とも婚姻日に39歳以下で、夫婦の合計所得が500万円未満(貸与型奨学金の年間返済額は差し引ける)
- 賃貸の場合の対象は、賃料・敷金・礼金・共益費・仲介手数料と、引越業者などに払った引越費用(住宅の購入やリフォームの費用も対象)。勤め先の住宅手当に当たる額は差し引く
- 補助の上限は、夫婦とも婚姻日に29歳以下の世帯が60万円、それ以外の世帯が30万円
令和8年度は、夫婦ともに、ライフデザインや妊娠・出産、家事・育児に関する講座や相談のいずれかを、その年度のうちに受けることも条件に入っています。実施するかどうか、受付の時期、対象の絞り込みは市区町村が決めるので、こども家庭庁が公表している都道府県ごとの活用状況(令和8年6月25日現在)や、住む予定の市区町村の案内で確かめます。
収入が減って家賃が払えないときは、どうする?
要点
離職や廃業から2年以内の人などで、収入と資産の条件を満たす人は、国の住居確保給付金で家賃の支給を受けられることがあります。支給は原則3か月、延長は2回まで、最長9か月です(厚生労働省)。
厚生労働省の案内では、支給額は市区町村ごとに決まる上限(生活保護の住宅扶助額)までの実際の家賃で、世帯の収入に応じて調整されます。預貯金の合計にも条件があり、基準額の6か月分で、100万円を超えない額までです。
給付金は自治体から貸主などへ直接支払われ、受けている間はハローワークへの求職の申し込みなど、再就職に向けた活動が求められます。
2025年4月からは、家賃の安い住まいへ移る必要があると認められた人に、転居の費用を補助するしくみも加わりました。相談先は地域の自立相談支援機関で、全国の窓口の一覧は厚生労働省のページから確かめられます。家賃をどのくらいに抑えると暮らしやすいかは家賃の目安で確かめられます。
よくある質問
住宅手当と自治体の家賃補助は、両方受けられる?
制度ごとに決まりが違います。こども家庭庁の新生活の支援では、勤め先の住宅手当に当たる額を対象の費用から差し引きます。市区町村の家賃助成は、それぞれの要綱や募集案内で確かめます。
自治体の家賃補助は、いつでも申し込める?
新宿区や目黒区のように、年に1回、決まった期間だけ募集する制度もあります。引っ越しの時期が決まったら、早めに募集の時期を調べておきます。
住居確保給付金は、どこに相談する?
住んでいる地域の自立相談支援機関に相談します。入居のときにかかる費用の全体は一人暮らしの初期費用にまとめています。
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