法人契約の賃貸とは|個人契約との違い・審査・書類
賃貸の法人契約は、会社が借主になって部屋を借り、社員が住む契約です。個人契約との違い、必要書類、審査、費用の分け方、退職したときの扱いを整理します。
賃貸の法人契約は、会社が借主になって部屋を借り、社員がそこに住む契約です。家賃は会社が払い、社員の負担分を給与から差し引く形がよくあります。転勤や単身赴任のときに、会社が借り上げ社宅として用意するのが代表的な使われ方です。
個人契約との違いは、契約する人、審査の対象、必要書類、退職したときの扱いに出ます。
法人契約と個人契約は、何が違う?
いちばん大きな違いは、借主が会社か住む本人かです。借主が会社になるので、審査も、家賃の支払いも、解約の連絡も会社が窓口になります。
| 項目 | 法人契約 | 個人契約 |
|---|---|---|
| 借主(契約する人) | 会社 | 住む本人 |
| 住む人 | 会社が指定した社員や役員 | 本人と家族 |
| 審査の対象 | 会社の業績や規模 | 本人の収入や勤務先 |
| 家賃の支払い | 会社(社員の負担分は給与から差し引くことが多い) | 本人 |
| 解約の連絡 | 会社の担当部署から | 本人から |
契約書には、借主として会社名が、入居者として住む人の名前が書かれます。入居者を勝手に変えることはできず、別の社員が住むときは管理会社や貸主の承諾が要ることが多いです。
社宅と借り上げ社宅は、どう違う?
社宅は会社が持っている建物に社員が住む形で、借り上げ社宅は会社が賃貸物件を借りて社員に貸す形です。賃貸の法人契約は、この借り上げ社宅にあたります。
要点
国税庁のタックスアンサー(No.2597、2026年4月1日現在の法令等)は、会社が借りた部屋を社員に貸す場合も対象にしています。社員から「賃貸料相当額」の50%以上を受け取っていれば、差額は給与として課税されません。
現金で払う住宅手当や、社員が自分で契約した部屋の家賃を会社が負担する場合は、給与として課税されます。役員の場合は計算が別で、No.2600に示されています。
賃貸料相当額は、建物と敷地の固定資産税の課税標準額や床面積から計算します。会社が持っていない部屋でも同じ式で計算するため、会社が貸主に課税標準額を確かめることがあります。
法人契約に必要な書類は?
会社の書類と、住む人の書類の両方を求められます。会社の規模や管理会社によって求められる範囲は変わり、規模の大きな会社では会社概要だけで足りる場合もあります。
| 会社が出すもの | 住む人が出すもの |
|---|---|
| 登記事項証明書(履歴事項全部証明書) | 本人確認書類(運転免許証など) |
| 会社概要やパンフレット | 社員証、または在籍を示す書類 |
| 決算書(直近の数期分を求められることがある) | 入居申込書(住む人の欄) |
| 会社の印鑑証明書 | 家族が住む場合はその情報 |
申し込みは会社の総務や人事の担当者が進め、住む人は内見と入居日の調整を受け持つことが多いです。申し込みから入居までの流れは賃貸契約の流れにまとめています。
法人契約の審査では、何を見られる?
主に会社の信用が見られます。創業からの年数、業績、従業員数などで判断され、住む人の情報もあわせて確認されます。
設立して間もない会社や、決算書がまだない会社では、家賃保証会社の利用や、代表者の連帯保証を求められることがあります。個人契約で見られる点は賃貸の入居審査に、保証会社と連帯保証人の違いは保証会社と連帯保証人にまとめています。
費用は、会社と社員のどちらが払う?
会社の社宅規程で決まります。借主は会社なので、貸主への支払いは会社がまとめて行い、社員の負担分を給与から差し引く形が一般的です。
| 費用 | よくある分け方 |
|---|---|
| 敷金・礼金・仲介手数料 | 会社が払うことが多い |
| 毎月の家賃 | 会社が払い、社員の負担分を給与から差し引く |
| 更新料 | 会社の規程による |
| 退去のときの修繕費 | 会社が払い、社員の不注意による分は社員に求める規程もある |
| 引っ越し代 | 転勤のときは会社が払うことが多い |
家賃の上限額や広さ、駅からの距離などの条件を社宅規程で決めている会社も多いので、部屋を探す前に規程を確かめておきます。
退職したら、その部屋はどうなる?
会社との契約なので、退職すると会社が解約して退去するか、住む人本人の名前の個人契約に切り替えるかのどちらかになることが多いです。会社の規程で、退職から退去までの期間が決まっている場合もあります。
個人契約に切り替えるには、貸主や管理会社の承諾と、本人の入居審査が要るのが一般的です。新しく契約を結ぶ形になるため、敷金や保証会社の費用などがあらためてかかることもあります。住み続けたいときは、退職が決まった段階で会社の担当者と管理会社に相談します。
よくある質問
個人事業主でも法人契約はできる?
法人契約は会社が借主になる契約です。個人事業主は会社(法人)ではないため、事業主本人が借主の個人契約になります。屋号を書き添えられるかは管理会社によって違います。
法人契約なら、家賃の高い部屋も借りやすい?
審査の対象が会社になるので、本人の収入だけでは借りにくい部屋でも通ることがあります。ただし、社宅規程で家賃の上限が決まっていることが多いです。
住宅手当と借り上げ社宅では、何が違う?
国税庁によると、現金の住宅手当は給与として課税されます。借り上げ社宅は、社員の負担が賃貸料相当額の50%以上なら、差額は給与として課税されません。
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