不動産売却の税金|計算方法と、住んでいた家の3,000万円の特例
不動産を売ったときの税金の計算方法と税率、住んでいた家で使える特例を、国税庁の情報をもとに例でまとめます。
不動産を売ったときの税金は、売った額から「買ったときの費用(取得費)」と「売るためにかかった費用(譲渡費用)」を引いた利益(譲渡所得)にかかります。税率は、売った年の1月1日時点で持っていた期間が5年を超えると20.315%、5年以下だと39.63%です。住んでいた家を売った場合は、利益から最大3,000万円を差し引ける特例があります。
この記事の内容は、国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)をもとにしています。
不動産を売ったときの税金は、どう計算する?
| 順番 | 計算 |
|---|---|
| 1 | 売った額 −(取得費+譲渡費用)= 譲渡所得 |
| 2 | 特例が使えるなら、譲渡所得から差し引く |
| 3 | 残った額 × 税率 = 税金(所得税・復興特別所得税・住民税) |
利益が出なかった場合(売った額が取得費と譲渡費用の合計以下)は、税金はかかりません。
取得費と譲渡費用には、何が入る?
| 区分 | 入るもの |
|---|---|
| 取得費 | 買ったときの代金、買うときの仲介手数料、登記の費用など。建物は、持っていた年数に応じて価値の減った分(減価償却費)を差し引く |
| 譲渡費用 | 売るときの仲介手数料、売買契約書の印紙代、測量費、売るための建物の取り壊し費用など |
相続した家などで買ったときの額が分からない場合は、売った額の5%を取得費にできます(国税庁 No.3258)。ただし、実際の額より小さくなりやすく、利益が大きく計算されます。売買契約書や領収書が残っていないか、先に探します。
税率は、持っていた期間でどう変わる?
要点
持っていた期間は、売った年の1月1日時点で数えます。買ってから5年たった日をすぎても、その年の1月1日時点で5年以下なら短期の税率です。
| 区分 | 持っていた期間 | 所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
国税庁 No.3208(長期譲渡所得の税額の計算)と No.3211(短期譲渡所得の税額の計算)で確かめられます。
住んでいた家を売ったときに、使える特例は?
| 特例 | 内容 | 国税庁の案内 |
|---|---|---|
| 3,000万円の特別控除 | 住んでいた家を売ったとき、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける | No.3302 |
| 軽減税率の特例 | 売った年の1月1日時点で、家と土地をともに10年を超えて持っていれば、3,000万円を差し引いた後の6,000万円以下の部分の税率が14.21%になる | No.3305 |
住まなくなった家でも、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売れば、3,000万円の特別控除の対象になります(No.3314)。親子や夫婦の間での売買は対象外など、ほかにも条件があるので、使う前に国税庁の案内か税務署で確かめます。
いくらかかるか、例で計算すると?
| 項目 | 額 |
|---|---|
| 売った額 | 3,500万円 |
| 取得費(減価償却後) | 2,200万円 |
| 譲渡費用(仲介手数料・印紙代など) | 130万円 |
| 譲渡所得 | 1,170万円 |
| 税金(長期・特例なし) | 約238万円 |
| 税金(短期・特例なし) | 約464万円 |
| 税金(住んでいた家で3,000万円の特別控除を使う) | 0円 |
計算の例で、実際の額は条件によって変わります。
確定申告は、いつ、どうする?
売った年の翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をします。3,000万円の特別控除などの特例は、税金が0円になる場合でも、確定申告をしないと使えません。会社員でも、不動産を売って利益が出たら確定申告が必要です。申告の進め方の基本は副業の確定申告にもまとめています。
売る前に、やっておくことは?
- 買ったときの売買契約書と、仲介手数料などの領収書を探す
- 何年持っているかを確かめ、5年の境目の近くなら売る時期を考える
- 住んでいた家なら、使える特例を確かめる
- 査定を取って、手元に残る額を税金まで含めて計算する
- 査定の取り方は不動産の査定に、売却の進め方は家やマンションの売却とエージェントにまとめています。
よくある質問
売って損をしたときも、確定申告は必要?
税金がかからないので、原則として申告は要りません。ただし、住んでいた家を買い換えて損が出た場合などは、申告するとほかの所得と差し引きできる特例があります。
相続した家を売ったときの税金は?
持っていた期間は、亡くなった人が買った日から数えます。取得費も亡くなった人が買ったときの額を引き継ぎます。手続きの順番は相続した不動産の売却にまとめています。
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