持ち家と賃貸はどっち?|費用の比べ方と向き不向き
持ち家と賃貸のどちらが合うかは、費用の総額と、これからの暮らしの変わりやすさで決まります。比べる項目と、向き不向きを表で整理します。
持ち家と賃貸のどちらが得かは、一律には決まりません。同じ期間・同じ広さで総額を比べ、そのうえで住み替えの自由度をどれだけ重く見るかで判断します。持ち家は毎月の支払いが住まいという資産になり、賃貸は暮らしの変化に合わせて住む場所を変えやすいのが特長です。数字と暮らし方の両方から考えると、ご自身に合う形が見えてきます。
持ち家と賃貸は、どのくらいの人が選んでいる?
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」では、人が住んでいる住宅のうち持ち家の割合は60.9%で、2018年から0.3ポイント下がりました。持ち家は3,387万6千戸、借家は1,946万2千戸です。
同じ調査で、借家(専用住宅)の1か月あたりの家賃の平均は59,656円でした。民営の借家では、木造が54,409円、木造以外が68,548円です。家賃の目安は家賃の目安でくわしく書いています。
費用は、どう比べればいい?
要点
毎月の支払いだけで比べず、住む期間全体でかかる費用を足して比べます。持ち家は住宅ローンの利息、管理費、修繕積立金、固定資産税を含め、賃貸は家賃に加えて更新料や引っ越しの費用を含めます。
| 費用 | 持ち家 | 賃貸 |
|---|---|---|
| 入居のとき | 頭金、仲介手数料、登記やローンの費用、税金 | 敷金・礼金、仲介手数料、保証会社の費用 |
| 毎月 | ローンの返済、管理費・修繕積立金(マンション) | 家賃、共益費 |
| 毎年・数年ごと | 固定資産税・都市計画税、火災保険、設備の交換 | 更新料、火災保険 |
| 住み終えたとき | 売却すれば手元にお金が残ることがある | 退去費用 |
たとえば家賃の平均59,656円を30年払い続けると、家賃だけで約2,148万円です(更新料や家賃の変動は入れていない単純な計算)。持ち家側は、ローンの返済総額に維持費と税金を足し、住み終えたときの売却額を差し引いて比べます。
持ち家には、住宅ローン控除で税金が軽くなる面もあります。国税庁の「暮らしの税情報」(令和8年度版)では、2026年中に住み始めた場合、年末のローン残高(住宅の種類ごとに上限あり)の0.7%が所得税から差し引かれ、期間は住宅の種類により10年か13年です。
金利が変わると返済総額も変わるため、固定金利と変動金利のどちらで比べたかも書き留めておくと、あとで見直しやすくなります。
持ち家の維持費は、何がかかる?
持ち家は、ローンを返し終えたあとも維持費と税金が続きます。賃貸では貸主が負担している修繕を、自分で計画して払うことになります。
- 固定資産税:毎年1月1日時点の所有者にかかります。標準の税率は1.4%で、住宅の土地は200㎡以下の部分の課税標準が6分の1になる特例があります(総務省)。
- 修繕:一戸建ては外壁や屋根、給湯器などを自分で計画して直します。
- マンション:管理費と修繕積立金を毎月払います。国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」では、修繕積立金の平均月額は戸当たり13,378円でした(駐車場使用料などからの充当分を含む)。
固定資産税の計算は固定資産税のしくみにまとめています。
どんな人に、どちらが向いている?
向き不向きは、住む場所や家族の人数がこの先どれだけ変わりそうかで分かれます。
| 暮らし方 | 持ち家が合いやすい | 賃貸が合いやすい |
|---|---|---|
| 住む場所 | 同じ地域に長く住むと決めている | 転勤や転職で住む地域が変わりそう |
| 家族 | 子どもの学区など、住む場所を固定したい | 結婚や出産、独立などで人数が変わりそう |
| お金 | 頭金を用意でき、長く安定した収入を見込める | 手元のお金を残しておきたい |
| 住まいへの希望 | 間取りや内装を自分の好みに変えたい | 設備の修理や手入れを任せたい |
どちらか一方に決めきる必要はありません。子どもが小さいうちは賃貸で地域を見きわめ、住みたい場所が決まってから買う人もいます。
住み替えやすさは、どれくらい違う?
賃貸は、契約で決めた予告期間を守れば、比べやすい費用で引っ越せます。持ち家は、売るか貸すかを決める必要があり、ローンが残っていれば売却額で返せるかも確かめます。
持ち家からの住み替えは、今の家を先に売るか、新しい家を先に買うかで、資金の段取りが変わります。手順は住み替えの流れにまとめています。賃貸どうしの引っ越しでも、敷金・礼金や引っ越しの費用はその都度かかります。住み替えの回数が多い人ほど、この費用も総額に入れて比べます。
よくある質問
老後を考えると、持ち家のほうが安心?
住む場所を確保しやすい面はありますが、修繕費や税金は続きます。賃貸でも、老後の家賃を見込んで準備しておく方法があります。
家賃とローンの返済が同じ額なら、買ったほうが得?
それだけでは決められません。持ち家は管理費や固定資産税、修繕費が加わるため、住まいにかかる負担はローンの返済額より多くなります。
何年住むなら、持ち家を考えてよい?
年数の決まった目安はありません。買うときと売るときの費用を、住む年数で割ったときに見合うかで考えます。
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