中古マンション購入の注意点|管理・耐震・費用で確かめる点
中古マンションは、部屋の中より先に管理の状態を確かめると判断を誤りにくくなります。修繕積立金・耐震・リフォームの制限・費用を順に整理します。
中古マンションを買うときに確かめたいのは、管理の状態、耐震基準、リフォームの制限、価格以外の費用の4つです。なかでも修繕積立金と長期修繕計画は、買ったあとの毎月の負担と建物の寿命に直接つながります。部屋の内装はあとから変えられますが、建物全体の管理は1世帯の判断では変えられません。内見の前に書類で確かめる点を決めておくと、比べやすくなります。
管理の状態は、何を見ればわかる?
要点
修繕積立金の額と残高、長期修繕計画の中身、管理規約の3つを見ます。仲介会社を通じて、管理会社が出す「重要事項調査報告書」を取り寄せると、積立金の残高や滞納の状況をまとめて確かめられます。
| 書類 | 確かめる点 |
|---|---|
| 長期修繕計画 | 計画期間、大規模修繕の予定時期、積立金の値上げ予定 |
| 重要事項調査報告書 | 修繕積立金の残高、滞納の有無、予定している工事 |
| 管理規約・使用細則 | リフォームの決まり、ペット、楽器、民泊の可否 |
| 総会の議事録 | 建物の不具合や、住民の間で話し合われている課題 |
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」では、計画に対して修繕積立金が不足しているマンションが36.6%ありました。積立金の平均月額は戸当たり13,378円です(駐車場使用料などからの充当分を含む)。
毎月の額が安く見えても、残高が計画より少なければ、あとで値上げや一時金の徴収につながることがあります。
修繕積立金と長期修繕計画は、どう見る?
見るのは「今の額」より「計画どおりに積み立てられているか」です。国土交通省は2021年9月に、既存マンションの長期修繕計画の期間を、大規模修繕を2回含む30年以上に見直しました。計画は5年程度ごとに見直すことが勧められています。
| 区分(20階未満) | 修繕積立金の平均(月・専有面積1㎡あたり) |
|---|---|
| 延床面積5,000㎡未満 | 335円 |
| 5,000㎡以上10,000㎡未満 | 252円 |
| 10,000㎡以上20,000㎡未満 | 271円 |
| 20,000㎡以上 | 255円 |
出典は国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2024年6月改定、機械式駐車場の分を除く)です。20階以上の建物は平均338円です。たとえば専有面積70㎡の部屋で月1万円なら、1㎡あたり約143円になり、目安と比べる材料になります。
段階的に値上げしていく方式では、ガイドラインは最初の額を基準額の0.6倍以上、最後の額を1.1倍以内とする考え方を示しています。
築年数と耐震は、どこで線を引く?
1981年6月1日から使われている耐震基準を「新耐震基準」と呼びます(国土交通省)。新耐震かどうかは完成した年ではなく、建築確認を受けた日で決まるため、1981年から1983年ごろに完成した建物は建築確認の日付を確かめます。
住宅ローン控除では、中古住宅は1982年1月1日以後に建築されたものが対象です。それより前の建物は、耐震基準に合うことの証明などがあれば対象になります(国税庁タックスアンサー「中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合」)。
床面積は登記の面積で判断し、マンションは専有部分の面積を使います。マンションの登記の面積は壁の内側で測った面積(内法面積)で、広告の面積より小さいことが多いので、50㎡前後の部屋は登記の面積を確かめておきます。ローンの審査は住宅ローンの審査にまとめています。
リフォームは、どこまで自由にできる?
自由にできるのは、専有部分の中で、ほかの住戸や共用部分に影響しない範囲です。国土交通省の「マンション標準管理規約」では、窓枠と窓ガラスは専有部分に含まれず、玄関扉も錠と内側の塗装の部分だけが専有部分です。
- 窓のサッシ交換や玄関扉の交換は、個人では決められないことが多いです。
- 床をフローリングに変える工事は、遮音の決まりが管理規約や使用細則にあることがあります。
- 共用部分やほかの住戸に影響するおそれのある工事は、理事長に申請し、承認を受けてから行います。
買ってから間取りを大きく変えたい場合は、配管の位置や管理規約の決まりを、契約の前に確かめておきます。
価格のほかに、どんな費用がかかる?
物件の価格のほかに、仲介手数料、税金、登記、ローンに関わる費用がかかります。買ったあとも毎月の管理費と修繕積立金、毎年の固定資産税が続きます。
| 時期 | 主な費用 |
|---|---|
| 契約・引渡し | 仲介手数料、売買契約書の印紙税、登記の費用、ローンの手数料と保証料、火災保険料、管理費や固定資産税の日割り精算 |
| 入居後しばらく | 不動産取得税、リフォーム費用、引っ越し費用 |
| 毎月・毎年 | 管理費、修繕積立金、駐車場代、固定資産税・都市計画税 |
仲介手数料の計算は購入の仲介手数料、買うまでの手順は中古マンション購入の流れにまとめています。
よくある質問
修繕積立金が安いマンションは、お得?
安いだけでは判断できません。長期修繕計画と残高を見て、計画どおりに積み立てられているかを確かめます。
旧耐震のマンションは、買わないほうがいい?
一律には言えません。耐震診断や耐震改修の有無、住宅ローンや控除の扱いを確かめてから判断します。
重要事項調査報告書は、誰が取り寄せる?
多くは仲介会社が管理会社に依頼して取り寄せます。発行に費用がかかることもあります。
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