土地の売却|流れと費用、境界確定・測量、相続した土地で使える特例
土地の売却では、隣の土地との境界を確かめ、面積をはっきりさせる準備が要ります。土地ならではの流れ、かかる費用、相続した土地で使える特例を表にまとめました。
土地の売却は、査定、媒介契約、境界の確認と測量、売買契約、引き渡しの順に進みます。建物の売却と違うのは、隣の土地との境界をはっきりさせ、面積を確かめる準備が要る点です。費用は仲介手数料、契約書の印紙税、利益が出たときの税金が中心で、測量をするならその費用も加わります。
数字は2026年10月時点の国税庁・国土交通省・法務省の案内によります。
土地の売却は、どんな流れで進む?
| 順番 | やること | 土地で気をつける点 |
|---|---|---|
| 1 | 査定を受ける | 登記簿の面積と、実際に測った面積が違うことがある |
| 2 | 不動産会社と媒介契約を結ぶ | 境界標があるか、測量図があるかを伝える |
| 3 | 境界を確かめ、測量する | 隣の土地の所有者に立ち会ってもらう |
| 4 | 売買契約を結ぶ | 登記簿の面積で売るか、測った面積で代金を精算するかを決める |
| 5 | 代金を受け取り、引き渡す | 抵当権があれば抹消する |
| 6 | 翌年に確定申告をする | 利益が出たときや特例を使うとき |
媒介契約の前に相場をつかんでおくと、売り出す価格を決めやすくなります。査定の見方は不動産査定の仕組みで紹介しています。
境界確定と測量は、なぜ必要?
買う人は、どこからどこまでが自分の土地になるのかを確かめて買いたいと考えます。境界の目印がなかったり、隣の所有者と境界の認識が違ったりすると、売ったあとのもめごとにつながります。
売り出す前に、測量の専門家(土地家屋調査士)に測量と境界の確認を頼み、隣の所有者と立ち会って確かめておくと、話が進みやすくなります。
要点
隣の所有者と境界の位置がまとまらないときは、法務局の「筆界特定制度」を使えます。法務局の筆界特定登記官が、外部の専門家である筆界調査委員の意見をふまえて、登記されたときの境界(筆界)の位置を特定します。裁判に比べて早く解決を図れる制度とされています。
申請の手数料は土地の価格で決まり、法務省の例では、自分の土地と隣の土地の価格の合計が4,000万円なら8,000円です。測量が要るときは、その費用が別にかかります。この制度は所有権がどこまであるかを決めるものではない点も、法務省は説明しています。
土地の売却には、どんな費用がかかる?
仲介手数料の上限は、売買価格のうち200万円以下の部分が5.5%、200万円を超え400万円以下の部分が4.4%、400万円を超える部分が3.3%です(税込み、国土交通省)。
400万円を超える土地なら「(売買価格×3%+6万円)×1.1」で求められます(東京都の案内)。価格が800万円以下の宅地や建物は、2024年7月から、原則の上限を超えて30万円の1.1倍まで受け取れる特例があります(国土交通省)。手数料の考え方は仲介手数料の仕組みで紹介しています。
売買契約書には印紙税がかかり、2027年3月31日までに作る契約書は税額が軽くなります(国税庁)。
| 契約書に書かれた金額 | 印紙税(軽減後) |
|---|---|
| 500万円超1,000万円以下 | 5千円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超5億円以下 | 6万円 |
利益が出たときの税金は、売った年の1月1日に持っていた期間が5年を超えるかどうかで税率が変わります。5年を超えると所得税15%と住民税5%、5年以下だと所得税30%と住民税9%で、別に復興特別所得税(所得税額の2.1%)がかかります。
古い家を取り壊して更地で売るときの取壊し費用は、仲介手数料や印紙税と同じく譲渡費用として差し引けます(国税庁)。計算の詳しい流れは不動産売却の税金にまとめています。
相続した土地を売るときは、何に気をつける?
売る前に、亡くなった人の名義から相続した人の名義へ登記を移しておきます。そのうえで、使える特例を確かめます。
| 制度 | 主な条件 | 内容 |
|---|---|---|
| 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 | 相続税がかかった人が、相続の開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売る | 払った相続税の一部を取得費に加えられる |
| 低未利用土地等の100万円の特別控除 | 都市計画区域内の空き地などを2028年12月31日までに売る、売った年の1月1日で持っていた期間が5年超、売った金額が500万円以下(市街化区域などは800万円以下)、市区町村長の確認書。相続した土地に限らない | 譲渡所得から最大100万円を差し引ける |
| 相続土地国庫帰属制度 | 相続などで取得した土地で、建物がなく、境界が明らかなものなど。審査手数料は1筆14,000円 | 法務大臣の承認を受け、負担金を納めると国に引き渡せる |
国庫帰属の負担金は、10年分の標準的な管理費用をもとに算定されます(法務省)。売るか、国に引き渡すかを比べるときの材料になります。
よくある質問
古い家が建ったままでも、土地として売れる?
建物が付いたまま売る方法と、取り壊して更地にしてから売る方法があります。取り壊すなら、その費用は譲渡費用として差し引けます。
測量をしないで売ることはできる?
登記簿の面積で売る取り決めにすれば、測量をせずに売ることもあります。買う人が納得するかどうかで決まるので、不動産会社と相談します。
土地の相場は、どう調べる?
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で、周辺の取引の価格を調べられます。あわせて複数の会社に査定を頼むと、相場の幅がつかめます。
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