不動産の買取とは|仲介との違いと向いているケース、契約前に確かめる点
不動産の買取は、家や土地を不動産会社に直接売る方法です。仲介との違いを価格・期間・手間・契約不適合責任で比べ、向いているケースと契約の前に確かめる点をまとめました。
不動産の買取は、家や土地を不動産会社に直接売る方法です。買い手を探す期間がいらず、売る時期を決めやすい一方、価格は仲介で個人に売る場合より低くなりやすい方法です。仲介は、不動産会社に買い手を探してもらい、個人などに売る方法です。
どちらが合うかは、急ぐかどうか、家の状態、手間をかけられるかで変わります。制度の内容は、2026年10月時点の国や東京都の案内によります。
不動産の買取と仲介は、何が違う?
いちばんの違いは、買い手が誰かです。買取では不動産会社が買い手になり、仲介では不動産会社は買い手を探す役で、買うのは個人などです。
| 項目 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 買い手 | 不動産会社 | 個人など(不動産会社が探す) |
| 価格 | 仲介より低くなりやすい | 相場に近い価格を目指せる |
| 売れるまでの期間 | 買い手を探す期間がいらない | 買い手が見つかるまで待つ |
| 手間 | 不動産会社が家を見に来るのが中心 | 買いたい人の内見に何度か対応する |
| 仲介手数料 | 直接売るならかからない | 売買が成立したらかかる |
| 契約不適合責任 | 負わない取り決めにする契約もある | 範囲と期間を契約で取り決める |
仲介手数料は、仲介を頼んで売買が成立したときに払う成功報酬です(東京都の案内)。計算のしかたは仲介手数料の仕組みで紹介しています。
買取の価格は、なぜ低くなりやすい?
不動産会社は、自分で住むためでなく、改修して売り直すために買うことが多いからです。国土交通省は、不動産会社が中古住宅を買い取り、質を高める改修をして個人に売る取引を「買取再販」と呼び、税の負担を軽くする特例を設けています(適用期限は2027年3月31日)。
不動産会社は、改修の費用や買ったときの税金、売り直すまでの期間の負担を抱えるため、その分が買取の価格に表れやすくなります。
要点
買取の提示額が妥当かは、相場と比べて判断します。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、周辺の取引や成約の価格を調べられます。複数の会社に査定を頼み、仲介で売り出した場合の価格とも並べると比べやすくなります。
査定の見方は不動産査定の仕組みにまとめています。
契約不適合責任は、買取と仲介でどう変わる?
契約不適合責任は、引き渡した家が契約の内容と合っていなかったときに、売主が負う責任です。買主は、修理などの追完、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められます。種類や品質が合っていないときは、買主はそれを知ってから1年以内に売主へ知らせる必要があります(法務省の案内)。
仲介で個人に売るときは、責任を負う範囲や期間を契約で取り決めます。買取では、売主が責任を負わない取り決めにする契約もあります。ただ、国土交通省は、不動産会社に自宅を売ったあとに雨漏りやシロアリの修理費を求められた相談があったと紹介しています。買取でも、この取り決めがどう書かれているかを契約書で確かめます。
買取が向いているのは、どんなとき?
| こんなとき | 合いやすい方法 |
|---|---|
| 住み替えや相続の手続きで、売る時期を先に決めたい | 買取 |
| 古さや傷みがあり、個人の買い手が見つかりにくそう | 買取 |
| 内見の対応や片付けの時間をとりにくい | 買取 |
| 時間がかかっても、できるだけ高く売りたい | 仲介 |
| 築年数が浅く、人気のある地域にある | 仲介 |
仲介で売る流れはマンション売却の流れで紹介しています。
買取の契約の前に、何を確かめる?
自宅を不動産会社に売る契約は、クーリング・オフができません(国土交通省)。わからないことや納得できないことがあれば、解決するまで契約しないよう国土交通省は案内しています。
電話や訪問で強引に勧められたときは、きっぱり断り、日時や会社名、担当者名、やりとりを記録して、会社の免許を出した行政庁に知らせるよう案内されています。会社の免許は、国土交通省の宅建業者の検索ページで確かめられます。困ったときは消費生活センターにも相談できます。
買取で売ったときも、税金の計算は同じ?
同じです。家や土地を売って利益が出たときは、売り方にかかわらず譲渡所得として計算します。式は「売った金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除」です(国税庁、2026年4月1日時点の法令)。
仲介で売ると仲介手数料が譲渡費用に入り、買取で直接売るとその分がなくなります。手取りを比べるときは、売却価格だけでなく、手数料と税金を差し引いた額で見ると違いがはっきりします。税金の詳しい計算は不動産売却の税金にまとめています。
よくある質問
買取でも、仲介手数料がかかることはある?
不動産会社に直接売る場合はかかりません。別の不動産会社に仲介を頼み、その紹介で買取の会社に売る場合は、仲介を頼んだ会社に手数料を払います。
買取と仲介は、同時に検討できる?
できます。仲介で売り出した場合の査定額と、買取の提示額を並べ、価格と期間の差を見て決めると判断しやすくなります。
売ったあとも、同じ家に住み続けられる?
売ったあとも家賃を払って住み続ける「リースバック」という方法があります。家賃の合計と売却代金を比べて検討します。
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